report: 三軒茶屋店舗デザイン
- chotrefoil
- 2020年12月10日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年12月10日
先月、内装デザインを携わらせて頂きました三軒茶屋の店舗工事――帆帆魯肉飯(ファンファンルーローファン)さんが完成しました。
三軒茶屋駅南口から徒歩7分、小さな台湾ルーロー飯の専門店です。
アトリエオブリックは普段住宅を中心に活動しており、店舗関係はほぼ専門外ですが、今回お客様から現地の空気感を再現してほしいとご依頼を受け、台湾にルーツを持っている私なので、有難く承りました。
お客様は元々旅行で現地で食べた味を忘れられず、その後台湾好きが高じてお店を始めたそうで、店内の小物類はご自身の長年のコレクションを飾って頂けるよう、シンプルな空間を計画しました。白と水色のツートン壁は50~60年代の台湾の建物でよくある意匠の一つで、日本語で例えると「昭和レトロ」のようなエッセンスをある年齢層の台湾人なら感じ取られるのではないかと思います。他にもお客様と話しながら、マニアックな台湾ネタを取り入れて、お食事だけでなく、空間で台湾を味わえるお店を心掛けてデザインさせて頂きました。
また、新店舗用の看板デザインもご提案させて頂きました。台湾では昔から高層階でも防犯用の鉄格子を窓に付ける慣習がありまして、そこに装飾を施し、鉄格子の冷たい印象を解消させるために生まれた職人アート――鉄窓花(てっそうか)の技法でオリジナルモチーフを作りました。鉄窓花は、現代に入ってアルミの既製品に変わり、作り手もほとんど居なくなりましたが、調べているうちに偶然技術の存続に尽力している現地の工場に出会って、制作に至りました。消失しつつある台湾工芸を新たに、しかも異国の日本・東京の一角で実現できたことは、個人的にとても意味を感じました。改めて採用して頂いたお客様の情熱に感謝します。
ちなみに、お客様は当初は高円寺~阿佐ヶ谷周辺に絞って出店される予定でしたが、家賃と立地条件でなかなか理想の物件に巡り会えず、勝手ながらお客様の利便性・街の雰囲気を考慮し、三軒茶屋の当物件を提案してみたところ喜んで採用して頂きました。このように、意外性と新しい可能性を取り入れるために、アトリエオブリックは物件探しからのご相談をおすすめします。
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